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(公財)石川県産業創出支援機構 経営支援部 新事業支援課

岩本社会保険労務士・行政書士合同事務所:岩本 美恵子さん

  • センパイ起業家
  • 石川
今の自分にとって何が大切なのか
優先順位を定めて、自分らしく生きる

行政書士
岩本 美恵子さん

大学での補助職、自宅で英語を教えながら、行政書士の勉強を続け、2008年に国家資格を取得。同年に個人事務所を立ち上げ、2009年には社会保険労務士の夫とともに合同事務所を開設する。2012年に銀座コーチングスクール認定コーチとなり、コーチとしての活動開始。2017年、一般社団法人コーチングコミュニケーション協会を設立し会長に就任。

起業のきっかけ

社会保険労務士を目指していた夫が試験に合格。事務所を開設するにあたり、私も行政書士を取得して一緒にやろう、と勧められていました。というのも、社会保険労務士は会社の給与計算や年金業務、行政書士は会社の業務に関わる許認可の書類作成や、個人の相続・離婚手続きなどと分野が違うので、2つの資格があると窓口が広がり、受けられる仕事の幅も広がるからです。以前、行政書士事務所で補助事務をしていた経験から少し勉強していたこともあり、「それならやってみよう!」と一念発起して資格取得の勉強を始めました。

当時は小学1年と4年の子どもを育てながら、大学の受付事務と自宅で英語を教える仕事もしていました。その中で時間をやりくりして、勤務終了後の15~17時、夕食後20~23時を勉強に充てました。1年目は独学で勉強していましたが、やり方や傾向が全くわからず、その年の試験では半分ぐらいの点数しか取れませんでした。これではいけないと、2年目は行政書士合格講座を受講し、有名講師のDVDで10か月猛勉強。模擬試験も何度も受けた結果、2回目の試験で合格できたんです。そして翌2008年4月、合格から最短コースで事務所を開設しました。

大変だったこと

行政書士は書類作成が主な仕事なので、開業資金はそれほど必要ありませんでした。事務所は空いていた子ども部屋の1つを利用しましたし、設備もパソコンなどの通信機器で約30万円ほどでした。開業した年は、知人の契約書作成や相続書類の作成などの仕事を少しずついただきながら、ISICOの創業スクールにも通いました。そこで集客のためにホームページ作成を勧められ、制作会社も紹介してもらえたので、すぐに開設しました。女性の行政書士を全面に打ち出したところ、離婚協議書の作成依頼が入るように。女性には「女性だから安心」、男性には「妻の気持ちを知りたい」と、女性ならではのニーズがあることが発見できましたね。

1年後には夫が会社を退職し、2人で合同事務所を立ち上げました。その際、DM配布や飛び込み営業もやりました。私の得意分野は建設会社の業務に関わる許認可の書類作成。そうした書類を社内で作成している会社を探し、集中的に30社ぐらいを回ったんです。その中の約10社と、今もおつきあいが続いています。想定したターゲットとうまくマッチしたので、成果が出せたのだと思いますね。

事務所ホームページ

振り返ってみて大変だったと感じるのは、人脈づくり。おつきあいの幅を広げようと、さまざまな起業塾や勉強会に参加し、夜の会合に参加したり、役員も引き受けたりして、気がつけば仕事以外のことで毎日忙殺されていました。家族からは不平不満が出て、私も家族への罪悪感に悩まされましたね。休日に家族と過ごしていても「時間がもったいない」と感じたり、「お酒も飲めないのに飲み会に行ってがんばっているのに、どうして理解してくれないの」と気持ちが空回りして。また、必死に広げた人脈が必ずしも仕事につながらず、ジレンマに陥ったことも。そうした試行錯誤の中から、「私に飲み会は合わない。本当に合っている人脈づくりの方法は?」と考えるようになり、次第に夜の会合は控え、昼の勉強会に集中的に参加する形にシフトしていきました。

今後の展望

勉強会ではいろいろな収穫がありましたが、とある会で紹介されたのがコーチング。クライアントからさまざまな相談を受ける機会が多かったので、その際に役立てられればと講座を受講し、プロコーチの資格を取得しました。思えば、これが私にとっての転機でしたね。それまでは相談を受けるとカウンセラーなどの専門家を紹介していたのですが、資格取得によって、(全てではありませんが)要望に応えられる幅がさらに広がったんです。一例をあげると、離婚協議書作成をお手伝いした方が離婚後、「このままだと自分に自信が持てない、人生うまくいかない気がする」と婚活に向けてのコーチングを受講。その方は徐々に自信を取り戻し、今では再婚して幸せになっておられます。一般にコーチングでは依頼者の悩みや目標に応じてテーマを設定し、それに基づいてセッションを重ねていきます。テーマはその方それぞれ。50代男性が「残りの人生を自分らしく生きるためにはどうすればいいか」など自由に決めていいんです。

コーチングセッションは面談のみではなくスカイプで行う場合もある

問題解決の手段として、書類作成はハード面からのサポートですが、コーチングはその人の内面、ソフト面からのサポートです。その両面でお客様の手助けができるようになったことが今のやりがいにつながっていますね。現在はこうしたコーチング事業を法人化し、各種講座を開設。月1回、気軽にコーチングを知っていただく「コーチ塾」も開催しています。今後は、コーチングを通してその人本来の力を引き出し、行政書士の業務で法的な問題解決をはかりながら、2本柱で充実した仕事をしていきたいと思っています。

起業する女性へのメッセージ

女性で起業を考えている方々からよく相談を受けますが、皆さん、さまざまな不安を持っておられます。でも実際はやってみないとわからないことが多いんです。やりたいと思っていたことにニーズがなかったり、「こんなことが!」ということにニーズがあったりすることもあります。まずはトライ&エラーの精神で小さなことからやってみてはどうでしょう。失敗を恐れがちですが、私のように失敗から学べることも多いはずです。

また、起業塾などではよく「人脈づくりが大事」と言われますが、それを真に受けて、いろんな会合に参加している人も多いのでは。私の場合は人見知りでお酒も飲めなかったので、夜の会合は全く合いませんでした。「起業家はそれらしい身なりや行動をしなければ」などと思い込み、それができなくて「向いていないのかな」と悩んだ時期もありました。でも、いろんな人と出会ううち、朴とつとしていても周囲の信頼を得ている人もいて、それほど気負わなくてもよいことに気づきました。自分の良さを分かってくれる人がきっといます。もっと自分らしさを大切にしていってほしいと思います。

人の意見や価値観に振り回されないためには、自分の軸や優先順位を持っていたほうがいいですね。結婚しているなら、大切な家族は一度失ったら取り返しがつきません。今子どものためにできないことがあっても、ライフステージは常に変化していきます。いずれチャンスは巡ってくるかもしれません。また、夫婦二人になったとき、会話もない関係になっていたら虚しいと思います。女性はステージに応じて役割が変化するのも特徴ですが、「自分にとって何が大切か」、その時その時で優先順位をつけながら、仕事と生活のよいバランスを保ちながらやっていきたいですね。

岩本さんのある 1 日の過ごし方

6:30
起床 朝食・弁当づくり
8:00
子どもの送り出し・身じたく
9:00
事務所に出勤(自宅前)
書類作成(コーチングセッションのことも)
12:00
昼食(自宅)
13:00
書類作成・打ち合わせのために外回り
17:00
帰宅 夕食準備
18:00
夕食
19:00
後片付け
20:00
入浴・リラックスタイム
※夜のコーチングセッションがある場合
21:00
コーチングセッション
22:00
セッション終了
23:00~24:00
 就寝

岩本社会保険労務士・行政書士合同事務所
  http://office-iwamoto.main.jp/